Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
私たちのように……そうだよね。
まさか、私の王子様がクロードさんで、15年の時を経て再び出会って、結婚して……こんな信じられないようなことも起きるんだもの。
2人が運命で結ばれているなら、心配することないよね。
「そういえば、トミーはSDの仕事をするっておっしゃってましたよね? 香坂はもういないのに、SDはまだ必要なんですか?」
私が疑問を口にすると、クロードさんは若干重ための吐息をついた。
「まだまだ、プラゼットの残党が各地に残っていて、そいつらに目を光らせる必要があるんだ。それに、SDとして調べてみてわかったんだが、歴史が長い分リーズグループの内部にも腐ってる部分がたくさんあってな」
商品の横流し、政治家との癒着、汚職、横領……
表に出てこないだけで、実は犯罪すれすれ、というかもう犯罪行為そのものが行われていたケースもあったとか。
「中には、グループの存続に関わるような爆弾もいくつか見つけた。大爆発を起こす前に、なんとかSDで処理しろと、総帥からも言われていてね」
「わ、忙しくなりますね」
総帥の業務をお手伝いしながら、SDの方もだなんて。
もしかして、また残業と出張とで留守がちになっちゃうのかな。
今度は外国だし、家族も友達もいない。
一人きりで家にいて、何もすることがなくて……と、東京での生活が脳裏を過る。
また、あんな風になるのかな……。
ううん、自分でついて行くって決めたんだもの。
大丈夫、なんとかなる。
うんうん、と自分へ言い聞かせるように頷いていると、「茉莉花」と向かい側から声がした。
「はい?」
「それで相談なんだが……」
「相談?」
きょとんと瞬く私へ、どこか悪戯っぽく彼が微笑んだ。
「俺の秘書をやってみる気はないか?」