Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

火傷しそうな視線を意識しながら、そっと私はその傷に口づける。
ぴくっと彼の身体が小さく戦慄いた。

「それを言うなら、私こそズルい女です。このキズがずっと消えなければいいのにって思ってるんだから。そうしたら、服を脱ぐたび私を思い出して、あなたはもう他の女性を抱けないでしょう?」

若干本気の嫉妬を込めて口にすると、くっと小さく彼が笑った。
彼の指に顎を掬われ、上向いた私は彼と見つめ合う。

「俺が、この先他の女を抱くかもしれないと?」

なんだか面白がってる風な彼を、むっと睨んでしまった。
「わからないじゃないですか。クロードさんはこんなに魅力的なんだし……んっ」

唇がしっとりと重なり、そのまま侵入してきた舌に絡めとられて、強制的に言葉が途切れた。

「そんなことより、別のことを心配した方がいいぞ?」

「べつ、のこと……?」

「俺の愛は重いと、教えてやっただろう。何しろ15年分だからな。そのすべてを君が一人で受け止めるんだ。俺も君を壊さないようにある程度は自制するつもりだが――」

思わず彼の首へ両手を回して、抱きついた。
「自制なんかしないで。あなたになら、壊されてもいいからっ……」

その頭を抱え込むようにして自分から口づけると、「あぁくそっ」と罵る低い声が聞こえる。

「……君は、男を煽るのが実に上手い」

荒々しく再び押し倒され、「覚悟しろよ」と低い声で宣言される。

返事の代わりにそろそろと舌を差し出すと、うっそり微笑んだ彼が自分のそれで触れ、啄んだ。
触れ合う舌同士のざらりとした感触に、お腹の奥がどうしようもなく疼く。

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