Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
ふと目を覚ますと、辺りはまだ暗かった。
少しうとうとしただけ、らしい。
散々愛された名残か、ギシギシと軋む身体を動かして起き上がると、きちんとパジャマを着ている自分に気づく。
クロードさんが着せてくれたんだ。
「って、クロードさん、どこ?」
広いベッドにも、室内にも、彼の姿はない。
えぇえ、朝チュンでイチャイチャしたかったのに、ってまだ夜は明けてないみたいだけど。
不満を覚えて耳を澄ますが、波の音が微かに聞こえるだけ……あれ、波の音がちょっと大きい。
ゆっくりベッドから降り、テラスへ近づいていく。
案の定、細くドアが開いていた。
広いプライベートテラスに設置された居心地よさそうなカウチへ、目指すその人の姿を発見。
「クロードさん?」
まだ暗い海を見つめているバスローブ姿の彼へ声をかけると、振り向きざまふわりと微笑まれた。
「あぁ、すまない。起こしてしまったか?」
首を振りながら近づき、「隣、座ってもいいですか?」と聞く。
「隣じゃなく、ここにおいで」
示されたのは、彼の足の間。
躊躇したのは一瞬で、私はそこへ浅く腰を下ろした。
すぐに腕が伸びてきて私の腰をぐっと深く引き寄せ、背後から包み込むように抱きしめる。
彼の体温が伝わってきて、気持ちまでほかほかと温もるようだ。
あぁ幸せ。
「寒くないか?」
「全然。すごくあったかいですよ」
「身体は? 辛くないか? 随分無茶をさせたよな。君は初めてだから優しくしようと決めていたのに、いざ始まってしまったらやっぱり無理で……すまない」
顔は見えないけれど、声音から反省している様子が伝わってきて、くすくす笑ってしまい――ふいに、あれ、と首をひねった。
そういえば……初めてって私、言ったことあるっけ?