Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~

あぁまた嫉妬。

彼を独り占めしたい、
自分だけが彼を理解したい、なんて。

私、いつの間にそんな独占欲の強い女になったんだろう。

こんなワガママ女、あんな素敵な人に相応しいわけない。

……やっぱり私たち、ダメなのかな。

お父さんとお母さんみたいな、あんな笑顔いっぱいの夫婦になりたかったのに。


――一日も早く、彼を解放してあげて。


やっぱり、ダメなのかな……


こみ上げてくるものを一生懸命飲み下すが、意思とは関係なくジワリと風景は滲んでいく――自分の思考に集中していた私は、後ろから近づく足音に全く気付かなかった。

それは、唐突だった。


「え……んんっっ!?」


私はいきなり大きな手で口を塞がれ、引きずられるようにして路駐した車の中へ連れ込まれていた。

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