Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
やめてやめて! 嘘でしょ!?
何が起きてるの!?
何なのこれは!?
恐怖と焦りに混乱しつつ、私は懸命にもがいた。
「んーーんんっ!!」
「大人しくしろ!」
男の声が聞こえ、私の身体は強引に後ろへと押し倒される。
背中が触れる固いシートの感触、それほど広くないスペースから、かろうじてそこが車の後部座席らしいことを理解する。たぶん、セダンじゃなくてワゴンタイプみたいな車……
深く考える間もなく、男がのしかかってくる。
塞がれたままの口が苦しくて、たまらず両腕を降りまわして引きはがそうとするが、その手は緩まない。
誘拐とかレイプとか、いろんな言葉が次々浮かんだ。
どうして私……っ?
訳がわからないまま、それでも頭の片隅で思い出した。
最近外出する時に感じていた視線とか、尾行するようについてきた足音とか……じゃああれは気のせいじゃなかったの?
まさか、この男が……
「ん、んんんーーーっ」
止めて、止めて、手を放して!
息が苦しいっ……