三十路アイドルはじめます
話してみると10年前よりは大人になった彼に出会えた。
そして、彼も僕と同じようにきらりさんを本気で好きなことが分かった。
その日の夜きらりさんの位置情報を確認すると、都内の一等地の超高級マンションにいた。
僕は林太郎くんが彼女を部屋に連れ込んだと思って心配になり、彼女にメッセージを送った。
「住んでいたマンションのセキュリティーがアウトらしく、引っ越しました」と彼女から帰ってきたメッセージに安心した。
彼女の位置情報を確認するのは日課になっていた。
最初は彼女の安全のためだったが、今は忙しい毎日の中で何処かで彼女と会えないかと思いながら確認している。
彼女の行動パターンは一定していて、芸能事務所や就職活動をしたら寄り道をせずに帰宅しているようだった。
それなのに、今日だけは夜の21時にカラオケにいるという不思議な状況だった。
『フルーティーズ』の他のメンバーの幼さを考えると、その時間にカラオケはあり得ない。
僕は嫌な予感がして、そのカラオケルームに急いだ。
このような高級なカラオケルームが存在するのかと初めて知ったが、案内表をみるとベッドが置いてある部屋まである異質な場所だと分かった。
店員に尋ねると、超美人のきらりさんの容姿のおかげでどこの部屋に入ったか覚えられていた。
部屋の前に明らかに見張りのような男がいたので、その男を脅して部屋を開けると信じられない光景が広がっていた。
きらりさんが男たちに抑えられて、謎の飲み物を飲ませられようとしていたのだ。
僕は彼女を救い出し、GPSを彼女のカバンに入れていたことを告白した。
軽蔑されるかもしれないと思ったのに、彼女は自分のことを心配してやったことだと分かっていると言った。
僕はそんな風に人の行動を肯定的に考える彼女を、愛しくなると共に心配になった。
そして、彼女は興奮状態の林太郎くんに連れて行かれてしまった。
彼は手が早そうな男だが、彼女のことは心底好きなようなので彼女の嫌がることはしないと信じた。
彼女の性格上、落ち着いたらお礼で電話をかけてくるだろうと思った。
翌日の夜、スマホが着信を知らせたので名前をみると愛しい彼女の名があった。
「雄也さん。昨夜はありがとうございました。それと、GPSのことですが、もう大丈夫なので今度お返ししますね」
「きらりさん。確かに僕は最初はあなたのことが心配でGPSをカバンに入れました。でも入れっぱなしにしたのは、きらりさんが僕との偶然の出会いを運命と思ってくれたのが嬉しかったからです。ズルイやり方をして申し訳ありませんでした」
僕は本当の気持ちを暴露するつもりはなかったのに、気がつけばきらりさんに軽蔑されるかもしれない真実を語っていた。
そして、彼も僕と同じようにきらりさんを本気で好きなことが分かった。
その日の夜きらりさんの位置情報を確認すると、都内の一等地の超高級マンションにいた。
僕は林太郎くんが彼女を部屋に連れ込んだと思って心配になり、彼女にメッセージを送った。
「住んでいたマンションのセキュリティーがアウトらしく、引っ越しました」と彼女から帰ってきたメッセージに安心した。
彼女の位置情報を確認するのは日課になっていた。
最初は彼女の安全のためだったが、今は忙しい毎日の中で何処かで彼女と会えないかと思いながら確認している。
彼女の行動パターンは一定していて、芸能事務所や就職活動をしたら寄り道をせずに帰宅しているようだった。
それなのに、今日だけは夜の21時にカラオケにいるという不思議な状況だった。
『フルーティーズ』の他のメンバーの幼さを考えると、その時間にカラオケはあり得ない。
僕は嫌な予感がして、そのカラオケルームに急いだ。
このような高級なカラオケルームが存在するのかと初めて知ったが、案内表をみるとベッドが置いてある部屋まである異質な場所だと分かった。
店員に尋ねると、超美人のきらりさんの容姿のおかげでどこの部屋に入ったか覚えられていた。
部屋の前に明らかに見張りのような男がいたので、その男を脅して部屋を開けると信じられない光景が広がっていた。
きらりさんが男たちに抑えられて、謎の飲み物を飲ませられようとしていたのだ。
僕は彼女を救い出し、GPSを彼女のカバンに入れていたことを告白した。
軽蔑されるかもしれないと思ったのに、彼女は自分のことを心配してやったことだと分かっていると言った。
僕はそんな風に人の行動を肯定的に考える彼女を、愛しくなると共に心配になった。
そして、彼女は興奮状態の林太郎くんに連れて行かれてしまった。
彼は手が早そうな男だが、彼女のことは心底好きなようなので彼女の嫌がることはしないと信じた。
彼女の性格上、落ち着いたらお礼で電話をかけてくるだろうと思った。
翌日の夜、スマホが着信を知らせたので名前をみると愛しい彼女の名があった。
「雄也さん。昨夜はありがとうございました。それと、GPSのことですが、もう大丈夫なので今度お返ししますね」
「きらりさん。確かに僕は最初はあなたのことが心配でGPSをカバンに入れました。でも入れっぱなしにしたのは、きらりさんが僕との偶然の出会いを運命と思ってくれたのが嬉しかったからです。ズルイやり方をして申し訳ありませんでした」
僕は本当の気持ちを暴露するつもりはなかったのに、気がつけばきらりさんに軽蔑されるかもしれない真実を語っていた。