月ノ蝶、赤縄を結ぶ
その後何回かプリを撮ってスムージーを飲みあいっこしてコスメ見てテキトーにウィンドウショッピングをした。
紅くんとのデートとは違った楽しさがある。
恋愛とはまた違う、高揚感。
私はこの関係も感情も本の中でしか知らなかった。
でも"そう"なんじゃないかなって思う。
いや、"そう"であって欲しい。
希望的観測を込めて、こう切り出した。
「ねぇ天ちゃん」
「なーに」
「なんかこれって、友達みたいだね」
「だって友達じゃん?」
「えっ」
あっさり肯定されてびっくりした。
逆に私のリアクションにびっくりした天ちゃんがわざとらしく両手で顔を覆う。
「逆に友達って思われてなかったの!?ショック〜」
「え、だって私今まで友達いなかったもん。分かんないよ・・・!」
しくしくと口で言う天ちゃんの前でおろおろする。