籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「へ〜、そんなひどいこと言うんだ。でもボクはこの1ヶ月美鳥サンをそばで見てきて思いましたよ。…“いいな”って」


わたしを見下ろしながら、舌なめずりをする裕一くん。

なにか…嫌な予感がする。


「…ゆ、裕一くん。さっきから…なに言ってるの?」

「わかりませんか?十座サンが選び抜いた極上の女がボクの手の届くところにいるんですよ?ちょっとくらい味見してみたいって思うのがフツーでしょ」


そう言うな否や、逃げようとしたわたしの両手首をつかんでソファに押さえつける裕一くん。


「はっ…離して、裕一くん!」


わたしは暴れて抵抗するも、華奢な裕一くんと言えど男の力には勝てない。


「そばにいるのに手が出せないって、男にとったらこんなの拷問っすよ。世話役の勤めを果たしてるボクに、ちょっとくらいご褒美くれたっていいじゃないですか」
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