籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
裕一くんの肩を鷲づかみにすると、わたしから引き剥がす玲。

そして一発、思いきり裕一くんの顔を殴った。


床に転がる裕一くんを睨みつける玲は、呼吸が荒く肩で息をしている。


玲は裕一くんから守ってくれるかのように、わたしに背を向けて仁王立ちする。

その大きな背中を見て、安心感からかわたしは思わず目に涙が浮かんだ。


絶体絶命のこの状況で…。

だれも助けにきてくれないと思っていたからこそ――。


…きてくれた。

わたしのピンチに駆けつけてくれた。


今の玲は、路地でチンピラから助けてくれたときの――あの勇ましい姿と重なる。


RULERの副総長で、憎き十座に服従する玲。

そんな玲を軽蔑していたけど――。


「これ以上、美鳥に近づくことは許さねぇ」


裕一くんからわたしを助けてくれた玲は、やっぱりわたしのヒーローだった。
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