籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
わたしは頭を下げ、おずおずとソファに座り直す。


「まあ、あたしもあなたみたいなのがNo.2でよかったわ」

「え…?」

「これまでのNo.2はみんな、No.1の座を狙ってあの手この手で十座に取り入ろうとしたり、あたしを陥れようとしたから」


上に立つ者に憧れを越えた嫉妬心を抱くのは、なにも男だけではなかった。

RULERの…、この妃候補の中では、女もその醜い感情に支配される。


「わたしは…、そんなことしません」

「そうみたいね。あなたと話せてよかったわ」


そう言って、余裕がうかがえる笑みを見せる茉莉花さん。


初め、この部屋へ入ってきたときは、茉莉花さんはわたしを警戒しているような態度で、口調もトゲトゲしかった。

だけど、わたしが妃候補から外れたいと思っていることを伝えたあとは、少しだけ表情が柔らかくなった。
< 162 / 440 >

この作品をシェア

pagetop