籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
十座の胸板に手をついて、思いきり突き飛ばした。

ところが、驚いたことに十座はまったく動じない。


「美鳥、なにを恥ずかしがる必要がある?さあ、こっちにこい。続きをしてやるから」


手招きをする十座。

わたしがこんなにも全力で拒否しているというのに、十座にはなにひとつ響いていない。


本当にわたしがただ照れているだけと勘違いしているのか、それとも拒絶されてもねじ伏せられる自信があるのか。


ジリッと歩み寄る十座から離れるように、わたしは一歩後退りをする。

しかし、いつの間にか部屋の角に追い込まれてしまっていた。


逃げ場がない状況で、わたしの額から汗が流れ落ちる。

恐怖で足が震え、歩み寄ってくる十座にせめてもの抵抗として身構えるしかなかった。


――そのとき。


コンコンッ!
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