籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
わたしは愛想もなくスルーすると、そのまま自分の部屋へと向かった。


「…はぁ」


うつ伏せになってベッドに上に倒れ込む。


いつまでこんな生活が続くのだろうか。


べつにわたしじゃなくたって、妃候補になりたいと願う女の子たちならいくらでもいる。

わたしのことなんてゴミのように捨ててくれたってかまわないから、早くそういった新しい妃候補が現れてくれないだろうか。


わたしがこんなにも嫌う『妃候補』だけれど、不動月の生徒たちはそのポジションに執着しているように見える。

わたしのかわりに外されたあの金髪の女の子もそうだ。


わたしには理解しがたい。

なにがいいの…、妃候補なんて。


一度、No.1の茉莉花さんと話をしてみたい。

どんな心境で十座のそばにいるのか。


でも、四六時中十座の部屋にいるようで、隣の茉莉花さんの部屋を訪ねてみても、いつも留守。
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