籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
枕に顔を伏せていると、ふとお兄ちゃんの顔が浮かんだ。

その次に雅人くん。

そして、RISEのメンバーが次々と。


RISEのみんなとはあんな別れ方になってしまったけど、今頃どうしてるかな。


わたしの大好きだった、以前のようなRISEに戻っていたらいいのだけれど…。


コンコンッ


そのとき、部屋のドアがノックされた。


「美鳥サ〜ン!」


返事をすると入ってきたのは裕一くんだった。


「なにか用?」

「今日は、週に一度の“あの日”です!出発する準備をしてください」


“あの日”とは、わたしが特別に外出を許可された日のことだ。

お兄ちゃんのことが心配で、せめて週に1回だけでもいいからお見舞いに行かせてほしいと十座に懇願した。


そして、なんとか許しをもらったわたしの唯一の外出日だ。
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