背伸びして、君とありったけのキスがしたい。
「あたし先に知り合いに声かけてくるから、里緒はここで楽しんでて!」
「うん、分かった!」
「あ、くれぐれも変な男にお持ち帰りされたらダメだからね!」
「さ、されないよそんなこと!」
念を押すように何度も『すぐ戻ってくるから!それまで店内から出ちゃダメだからね!』と言いながら、綺良ちゃんは再び人の輪の中に消えていく。
私も綺良ちゃんみたいに美人で、大人っぽくなれていたら、橋本くんにあんなことを言われずに済んだのかな。
私が、もう少しだけ……心も体も許していたら、きっと橋本くんともっと上手に付き合えていたのかもしれない。
「……っ」
思い出して、また泣いてしまいそうになるのをどうにか堪えた。
「ダメだ、もう忘れなくちゃ」
手に持っていたオレンジジュースを一気に飲み干して、気持ちを切り替えようとしたそのとき。
「わぁお、かわいい子発見ー」
「うわ、マジじゃん。つーか泣いてね?」
「ってか若くね?え、何歳?」