クズで冷徹な御曹司は、キケンな沼です

「し、失礼します……っ」


まさか――と頭で否定するも、イヤな想像は止まらなくて手が震える。

この中にいるのが城ケ崎先輩じゃなかったらいいのに、なんて。そんなことを思った。

だけど、


ガチャ


「あ、もう来たの? 予定より早かったね」


玄関にいたのは、上半身裸の城ケ崎先輩。

胸元や、おへその周りに、さっきの女性と同じアザがある。

もしかして、あのアザって……
世に言う「キスマーク」?


「入れば? あ、でも寝室は止めときなよ。まだシーツ変えてないし」

「ッ!」


カッ、と。体中に熱が回る。

お互いの体についているキスマーク、寝室、シーツ。

さっきの女性と城ケ崎先輩は、本当に――


「は~喉かわいた、水のも」


私と似た茶髪の先輩。少しだけウェーブかかっている髪は、王子様っぽくて素敵だって思ってた。

だけど、その髪が今はすごくだらしなく見えて……。先輩の乱れた髪から、すぐに目を逸らした。


「アンタも入りなよ。ずっとそこにいるつもり?」
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