クールな御曹司の溺愛は初恋妻限定~愛が溢れたのは君のせい~
「あっ、まだ起きてたのか……って、ベッドのない部屋で眠れるわけないか。俺はソファを使うから、神崎さんは寝室のベッドで寝て」
 有栖川さんは私に視線を向けてそう言葉をかけると、なにか錠剤を口に入れ、ペットボトルの水をゴクッと口にする。
「いえ、ベッドが問題じゃなくて、緊張で眠れなくて……。あの……どこか具合が悪いんですか?」
 ダイニングテーブルに置かれた薬の包装シートを見て尋ねると、彼は少し顔をしかめながらも淡々と答える。
「ちょっと頭痛がするだけ。今日は忙しかったから。なにか飲むか? ココアやハーブティーもある」
 今日は彼にとってストレスの多い一日だったはず。会長に突然結婚しろなんて言われるし、頭が痛くなるのも無理はないと思う。
「いえ、いいです。あのソファに座ってくれませんか?」
 リビングのソファをチラリと見やれば、彼が怪訝な顔をする。
「なにか話でもあるのか?」
 有栖川さんがジーッと見つめてきたので、たまらず目を逸らした。
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