唇を隠して,それでも君に恋したい。
「俺……伊織と同じ班がいい。三太の方だとあちこち連れ回されて疲れそう」
それまで黙っていたリューが僕を見つめた。
僕はどこかくすぐったいような気持ちになって,和寧の方へと顔をそらす。
それを見て,スズがぽつりと不思議そうに言った。
「そういえば伊織,和寧が同じ班になりたいって言っても全然嫌がらなかったな」
「まあ。もう和解したし」
「和解って……お前ら喧嘩してたわけでもあるまいに」
「え? 仲悪かったのか?」
三太がきょとんと返してくる。
別に喧嘩したわけでも仲が悪かったわけでもなく,僕が一方的に苦手意識を持っていただけなのだけど。
「いいんだよ。沖縄ではガイド役にもなって貰うつもりだから」
「はいはいそうだね。どうせ僕の片想いだから,君にうまく使われることにするよーっと」
「気持ち悪いことを言うな」
片想いだのなんだの,どうしていつもこういう