唇を隠して,それでも君に恋したい。


「なに? お菓子でも食べる?」



差し出されるポッキー。

そうじゃないと口を開けば,そのままずぶりと差し入れられる。



「ほら,敦とリューも」

「……おー」

「……どーも」



もっと明るくいこうよ……皆。

普段大して話さない僕でも,どうかと思うなこの空気は。

でも,お菓子を配り始めたお陰で敦が何をいいたかったのか聞ける雰囲気では無くなってしまった。

右は,左は,通りすぎだのは……とバスガイドさんの話を聞く。

皆それぞれ話してばかりでほとんどが聞いていないから,僕だけでもと僕は真剣に聞いていた。

長距離の間その女性は紙1つ見ることなく,ずっと歴史を語り続ける。

仕事にしたってすごいと思いながらも,バスの揺れや空調,飛行機の疲れもあって,僕はまた眠ってしまった。

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