唇を隠して,それでも君に恋したい。
ジョウネツを突き放すボクのコイ。
「あっひゃっひゃ……っ! ひゃひゃひゃ!!」
食堂に集まる一同。
の中心で,三太は今日も引き笑いを起こし注目を浴びていた。
「目が覚めたら隣のやつに抱き付いてるとか……っ。どこのラブコメだよ」
ぎゃははとなおも笑う三太の脛を,いい加減にしろと僕は思い切り蹴飛ばす。
「ほんと勘弁してほしいよ」
やれやれと,(被害者の)和寧まで便乗して,そちらにもぎろりと視線を向けた。
「だから俺のとなりにしておけばよかったのに」
ぼそりと不機嫌に,僕の耳にだけ届く。
そちらは無視をして,僕は真っ赤な耳を隠すようにうつ向いた。
「とうとう今日で終わりか~。明日は大してすることもないしね」
「明日は雨らしい」
「えっそうなの」
聞き捨てならないスズとリューの会話に,思わず反応する。
それを受けて,食事の手を止めたリューはやんわりと微笑んだ。
「今日晴れて良かったな」
「あ……うん」
広い沖縄は,基本的にタクシーで移動することになる。
だとしても,天気がいいことに越したことはない。