Love is blind〜無口で無愛想な作家は抑えられない独占愛を綴る〜
「私が辛い時、瑠維くんはずっとそばで支えてくれたでしょ? 鮎川さんからこのことを聞いた時、私だってすごく辛かった……なんでそんな時に瑠維くんのそばにいられなかったんだろって……」

 瑠維は春香の髪を撫でながら、額にキスをする。

「……僕はそう思ってはいません。むしろ順番が逆で良かった。でなければ僕はあなたを守ることが出来なかったかもしれない」

 優しい口づけが心地良くて、春香は思わずうっとりと目を伏せた。

「瑠維くんがいてくれて良かった。だから今度は私が瑠維くんを支えたいの」

 春香は腕の力を緩め、瑠維の唇にキスをした。瑠維は驚きと喜びが混ざり合った、複雑な表情で春香を見つめている。

「……話を聞いても、僕の前からいなくなったりしませんか?」
「瑠維くん、私は離れたりしないよ。ずっと瑠維くんのそばにいる。ここにいるから安心して。あっ、でも内容次第ではあの女を一発ぶん殴りに行っちゃうかも」

 腕を上げて殴る真似をしてみせると、ようやく瑠維の顔から緊張感が取れたのか、目を細めて口角を少し上げた。

「春香さんらしいな……さっきの猫かぶりの演技も久しぶりに見ましたけど、あの頃のままでした」
「でしょ? まだまだ現役でいけるみたい」
「ですね。でも何より僕のために啖呵を切ってくれたと思うと、身悶えるほど幸せでした」

 瑠維は嬉しそうに春香の胸に顔を埋める。彼の頭を撫でながら、これはきっと瑠維の口からしか聞くことの出来ない言葉だろうと感じていた。

「あの……春香さんはどこまでご存知なんですか?」
「一応大まかには聞いたの。でも……無理はしないでね。瑠維くんが話すことに抵抗があるなら聞かないし、思い出して辛くなってほしくないから……」
「ありがとうございます。でも僕の過去を春香さんが受け入れてくれるのなら……聞いてほしいです」

 瑠維の言葉を聞いた春香は、彼の瞳を真っ直ぐ見つめて頷いた。
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