極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
 メニュー表にはコース料理しか載っておらず、値段も書いていない。一体いくらするんだろうと考えるとゾッとする。
「シャンパンは飲めるか?」
「はい。でも先生は車だから飲めないんじゃ……」
「俺はノンアルでいい。それより、ふたりのときは拓海だって言っただろう」
 そういえばそうだった。なんだか照れくさいな。緊張して小さく咳払い。
「た、拓海さん」
「よろしい」
 満足げにうなづいた篠宮先生――拓海さんは、ウェイターを呼びオーダーをする。
 すぐに私のシャンパンと拓海さんのスパークリングウォーターが届き、乾杯して一口。フルーティーでおいしい。それなりに高価なものなのだろうけれど、シャンパンなんてろくに飲んだ経験のない私には、安いものとの味の違いがよくわからない。
「今後の話だが、今日はもう時間が遅い。休みを取れる日を合わせて指輪を買いに行こう」
「指輪ですか?」
「ああ。入籍の必需品だからな」
「に、入籍……」
 動揺して声が裏返る私に、拓海さんは呆れ顔だ。
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