極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「俺と結婚すれば子どもをもうけられるし君の願いは叶う」

 ああ、なるほど!……なんて思えるほど、さすがに私も単純ではない。

「先生、実は酔ってます?」
「さっき車で帰ってきたばかりだろう。飲酒運転なんかしない」
「じゃあこれは夢でしょうか」
「頰でもつねってみようか?」

 冗談を言うタイプには見えないし、かと言ってこれを本気にしていいのかもわからない。
 だって、私はひとより顔が整っているわけでも、スタイルがいいわけでもない普通の人間だ。

「先生に釣り合う女性は他にたくさんいます。私と結婚したって先生には何のメリットもないじゃないですか」
「メリットか」

 篠宮先生は数秒考える素振りを見せたあと、私をじっと見つめる。

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