極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
3
 季節はめぐり、あれからもうすぐ五年。
「じゃあね、夕方お迎えに来るね」
「うん!」
 拓斗(たくと)は保育士の先生と手を繋ぎ、大きくうなづく。
「それじゃ先生、よろしくお願いします」
「はい、行ってらっしゃい」
 バイバイと手を振って保育室を出て、そのまま廊下を歩きロッカールームへと入る。ピンクのナース服に着替えると、三階の小児科病棟へと向かった。
「おはようございます」
「おはようございます、小鳥遊さん」
 他のナースたちと挨拶を交わし、パソコンで今日の業務内容の確認をする。すると、「おはよう」と低い声がした。振り返れば、康太くんがいる。
「康太先生、おはようございます」
「拓斗くんはもうお熱大丈夫?」
「はい。お薬が効いたみたいです」
 康太くんは、「よかった」と微笑む。昨日保育室のお迎えのときに微熱があったから、康太くんに薬を処方してもらっていたのだ。
 私と康太くんは同級生だけれど、学生時代に繋がりがあったことを他のスタッフは誰も知らない。だから、彼には敬語で話すようにしている。
「今日も一日よろしく頼むよ」
「はい」
 康太くんは白衣を翻して去っていく。
「康太先生、朝から爽やかで素敵ですよねえ」
「ホント、目の保養になるわ」
 後ろで同僚たちが黄色い声をあげている。康太くんは学生時代と変わらず、やっぱり今でもモテるのだ。
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