極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「菜乃花……?」

 不意に、知った声が上から降ってきた。
 顔を上げると、今まさに心の中で考えていたひとが私を覗き込んでいる。
 端正な顔を歪めて、眉根を寄せて。

「た、拓海さ……」
「菜乃花!」

 咄嗟に立ち上がったら、ガバッと抱きしめられた。
 どうしてこんなところに拓海さんがいるの?
 私、夢を見ているの?
 身体を少し離した拓海さんは、私をじっと見つめる。
 その瞳が切なげに揺れている。

「ずっと会いたかった」

 鼓動が跳ねる。
 会いたかったなんて、嘘でも言わないで。
 だって心の蓋が開いてしまいそうになる。
 私もずっと会いたかったのだと、叫びたくなってしまう。

「ママー?」

 不意に、足に温もりがまとわりついた。
 私のパンツの端をギュッと握りしめた拓斗が、ちらりと拓海さんを見ている。
 ママを取られると思ったんだろうか。
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