極上ドクターは再会したママとベビーを深い愛で包み込む
「拓斗、ママはここにいるから、お友達と遊んでおいで」
「うん」

 拓斗は砂場のほうへと駆けて行く。
 それを見届けて、二人でベンチに腰を下ろした。

「すまない。父に不当な扱いを受けて辞めさせられたんだろう?あれからずっと探してたんだ」
「探してただなんて。拓海さんは……篠宮先生は、私のことを好きなわけじゃなかったでしょう?」
「俺は菜乃花だからプロポーズしたんだ」

 力強く言い放たれ、胸がドキンと音を上げた。
 けれど、それは違うと冷静な自分が訴えかけてくる。

「私なんか、いい母親になれそうな女性という条件に当てはまっただけじゃないですか」
「……そう思ったから俺に何も言わずに去ったのか」

 深いため息が隣から聞こえた。
 私の右頬に大きな手が触れ、近い距離で視線が合う。
 普段余裕のある拓海さんの、こんなに必死な顔は初めて見た。

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