家出少女の反抗
優は後ろを振り返り、面倒臭そうに私を見下ろした。




「だりーな。女ってのはこういうときに限って、理由を求めるんだから」



掴んでいた手を優は蹴り飛ばし、私の手の甲を思いっきり靴のまま踏み潰してきた。




熱い針をさされた様な鋭い痛みが、直撃する。



グリグリと、靴で踏み潰し、頭がすり潰されるような金切り声を上げる愛を無視して、優は私の前にかがみこみ危ない笑みをこぼす。



「折角、お前ら二人油断させて、隙をついた所で殺して死姦してやろうと思ってたのに。気分が悪いなー」




私をゴミを見るような目で、嘲笑って足を離した。




手の骨にヒビが入ったかのごとく、ビリビリとしびれていた手を使って思いっきり優の手を引っ叩く。




殴られた優は、ケタケタと笑みを浮かべると私の襟をつかみ顔を近づけ言った。




「生意気な態度だな。理由をそんなに知りたいか?」




「知り……たい。どうして……少女たちを殺して……道具として……使うの?」



苦し紛れに、優を睨んだ私。



愛があまりの恐怖で、涙目になっており「……もう、やめてっ……」と小声で呟く。




そんな震えた声には耳元も貸さずに「楽しいからだよ」と優は答える。


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