蜜月溺愛心中
続きを考えるのが怖くなってしまい、椿は慌てて「あそこにいる魚、大きいですね！」と話題を振って自分の気持ちを胸の奥深くにしまい込んだ。

「本当だ。すごく大きいな」

「はい。こんな魚、見たことがないです！」

熱帯に生息しているという魚たちを見た後、清貴が腕時計を見て言った。

「そういえば、もうすぐアシカのショーがあるみたいなんだ。行ってみるか？」

「アシカのショー！行ってみたいです！」

アシカも、当然椿はテレビ画面の中でしか知らない存在である。胸が高鳴り、まるで水族館に入る前のようにわくわくした気持ちが心の中に生まれていった。

「それじゃあ行こうか」

「はい！」

椿と清貴は、海獣コーナーへと足を早めた。



二人で回った水族館は、姫乃のことを忘れてしまうほど椿は楽しんでいた。椿の顔にはずっと笑みがあり、清貴はそんな椿を見て微笑む。温かな波が、二人の心に押し寄せていた。

アシカのショーを見た後、他のコーナーも見て回り、昼食は水族館のレストランで食べ、午後のイルカショーも楽しんだ。
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