KISSでチェンジ!
純の秘密
体育館倉庫へ行くためには1度グラウンドを横切らなければならない。

グラウンドではさっそく部活動に熱心な生徒たちが体操着姿になってウォーミングアップを初めているので、ふたりはグラウンドの外周を回って体育館へ向かった。

土埃を感じるといつも顔をしかめている純だけれど、今日はそれを気にしている余裕もない。
体育館が近づいてくるたびに純の表情は固くこわばり、手足が同時に前へ出ている。

「大丈夫だから」
良明がそんな純に気がついて手を伸ばしてきた。

純の手を握りしめると小刻みに震えている。
もしかしたら自分の学生生活を、いや人生まで脅かされてしまうことがこれから起こるかもしないのだ。
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