KISSでチェンジ!
「い、いやいや。問題大アリだから! 俺と良明は別に……!」
『付き合ってない!』という言葉を遮るように良明が純の手を握りしめてきた。

その拍子にまたも言葉を切ってしまう。
そして手を握り合うふたりを見て茜の顔が見る間に真っ赤に染まっていった。

「やっぱり、ふたりはそうだったのね……」
と、自分の世界に入り込んでいってしまう。

「ち、違うって! 手、離せよ!」
茜に否定しつつ良明の手を振り払う。

しかし茜の耳は純の声はもはや届いていなかった。

ブツブツとなにかを呟いていたかと思うと、鞄からメモ用紙を取り出してなにかメモしはじめている。

「ありがとう! 参考にさせてもらうね!」
メモを取り終えると動じに茜は元気よくそう言い、かけて行ってしまったのだった。
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