KISSでチェンジ!
「こんなところに遠藤さんがいるわけないだろ? それに自然なままで良いって言ってたじゃないかよ」

ブツブツと文句を口にしても良明はまるで聞いていない。
純をエスコートするように背筋を伸ばして歩くのでこっちが恥ずかしくなってきてしまう。

いつものように学校に到着して下駄箱へ向かうと、良明が純の上履きを出して差し出してくれた。
「こんなこと普段はしないくせに」

「少しでも良い彼氏として書いてほしいからな」
そう言われて純は良明を見上げた。

まぁ、身長的に言えば良明の方が彼氏という設定がしっくりくるのはわかる。
だけど純としては自分が彼女役として書かれるのはなんとなく納得いかないことだった。

「俺だって男なのに」
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