KISSでチェンジ!
ただ、それだけのこと。
わかっているのになかなかベッドの端から立ち上がることができなくて、純は拳を握りしめた。

良明があれだけベタベタくっついてきたせいで、どうしても意識してしまう。
純の心臓は今ドキドキと脈打っていた。

「純。どうした?」
なかなか来ない純を心配して良明が声をかけてくる。

くそ。
行くしかないよな。

覚悟を決めて立ち上がる。
窓の向こうの良明を見ると、髪の毛が濡れて肩にタオルをかけていた。

どうやら風呂上がりのようだ。
濡れた髪の毛が月明かりでキラキラと輝いて純は一瞬息を飲んだ。

まるで絵画のようなたた住まい。
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