KISSでチェンジ!
男か、女か。
その決断の時期がまた少し近づいてきたように感じられるのは、きっと気のせいじゃない。

「お前はいつだってお前だろ」
良明が言ったその言葉は茜の書いた小説にあったセリフだった。

こんなときに借り物のセリフを口にするなんてと思ったけれど、それが一番ストンと心に落ちてきた。

俺は俺。
性別がどうであれ、それは変わらないことだから。

だから、今のままでいい。
茜は本当にいい物語を書くと思う。

純はクスリと笑って「ありがとう」と、良明と茜へ向けて返したのだった。
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