KISSでチェンジ!
「いつも世話になってるからさ、これくらいの恩返しは必要かと思って」
大真面目にそういう純に良明はぷっと吹き出して笑いだしてしまった。

この数日間本当に気が気ではなかった。
純に嫌われてしまったと本気で思っていた。

解けた誤解に安堵すると同時に、思わず純のことを抱きしめていた。
「キャア!」

女子生徒から黄色い悲鳴があがる。
「ちょ、なにすんだよ!」

腕の中で純がもがく。
それでもやめることはできなかった。

やめてやらない。
「純のばーかっ」

嬉しさで頬を高揚させて、良明はそう言ったのだった。
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