KISSでチェンジ!
「休憩時間は沢山の生徒が廊下に出てるもんな。スマホのカメラを使われてたとしたら、なおさらわからない」

 休憩時間中はスマホの使用が許可されているため、その場出会っても犯人探しは困難そうだ。
すぐに消されていれば迷宮入りにもなりかねない。たちの悪いやり方だ。

「それだけじゃない」
 昨日も放課後呼び出しを受けた良明は校舎裏へひとりで移動していた。

そこで待っていてくださいという手紙が机の中に入っていたのだ。
 本来ならそんな手紙無視してしまってもよかったのだけれど偶然純に見つかってしまい、『行ってあげないと可愛そうだろ!』と言われたため渋々やってきた。

 代わりに『告白が終わったら一緒に帰る』ことを純に約束させて、待っていてもらうことになった。
 けれど待てど暮らせど相手はやってこない。

 五分ほどなら黙って待つ良明だが、さすがに十分二十分と経過するにつれてイライラしてきた。
普段表情を出さない良明の眉間にシワがより、不機嫌そうに口角が下がる。
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