KISSでチェンジ！

　三十分ほど待ったときついに我慢の限界がきてその場から立ち去ろうとした。
その瞬間、目隠しで植えられているツツジの葉がガサガサと揺れる音を聞いた。

ハッとして植木の隙間を確認したけれど、そこにはすでに誰もいなかった。
　もしかしたら相手は自分を呼び出しておいて、植木の影からずっと見ていたのかもしれない。

　そう思うとさすがに気持ち悪さを感じて、純に相談するに至ったのだ。
「それってさ、ストーカー？」

　話を聞き終えた純が聞くが、良明は首をかしげた。
　今の所学校内でしか妙なことは起きていないし、実際に危害を加えられたわけでもない。

ストーカーと言うには少し弱い気がしている。
「わからない。でも、気分は悪い」

　胸のあたりに手を相手言う良明に純は頷いた。
「もしかしたらただのファンかもしれないよな。お前、ファンクラブできたんだろ？」