KISSでチェンジ!
 その質問に良明は首をかしげた。
 自分のファンクラブが作られたことなど知らないし、興味もない。

「隠し撮りとか、告白とか、そのファンクラブが制御してくれるんじゃないのか?」
 少し突き放すような言い方になってしまったのは単純に嫉妬心からだった。

 ずっと一緒にいて良明だけが大人気を誇っているのだから、純からすれば面白くないに決まっている。
女子たちがひそひそと自分のことを『良明くんのマネージャー』と呼んで笑っていたことも知っている。

 そんな良明からのモテテモテテ困っていますという相談には不機嫌になったも仕方ないことだと思う。
「ファンクラブってそういうことをしてくれるのか?」

 良明は純の言葉を真に受けている。
「わかんねぇけど、たぶん……」
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