KISSでチェンジ!
 そんなに真剣に話を聞かれると適当なことを言っているのが気まずくなってきてしまい、視線をそらせる。
 ポッとできたばかりのファンクラブが良明を守ってくれるなんてのはいささか高望みすぎるかもしれない。

 もしかしたらそのファンクラブの誰かがストーカーまがいのことをしている可能性もある。
「と、とにかくさ、もう少し様子を見たらどうだ? 実害はまだないわけだし、犯人も検討つかないんだろう?」

 少し咳き込んでから切り変える。
 純の言葉に考え込むように下を向き、そしてまた顔をあげる。その表情は純に話をしたことで少しスッキリしている。

「そうだな。またなにかがあったら相談する」
「あぁ」

 純が頷くと、良明も同じように頷いて女子たちが集まってきている席へと戻っていったのだった。
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