KISSでチェンジ!
 頭を下げられても、元々遊ぶ予定を入れていたわけではない。
ただ、今までで毎年そうしていたから遊びに行くものだと思い込んでいただけだ。

 良明は悪くない。
「でも、用事ってなに? もしかしてついに彼女ができたとか?」

 ありえないことだとわかあっていても、やっぱりそこは気になる。
 もし良明に彼女ができていれば、安易にキスだってできなくなってしまうから、他の手を考えないといけなくなる。

「いや、仕事」
 短く答えてシレッとしている良明に『そっかー仕事か』と、納得してしまいそうになる。

「仕事ってなに?」
 確かアルバイトはしていないはずだと思って問い返すと「モデルの仕事」と言われた。

 目を見開いて良明を見つめるが、本人は相変わらずの無表情だ。
「なんだよそれ、モデルの仕事!? 読者モデルで声かけられただけじゃないのかよ!?」

 思わず声が大きくなってしまって廊下を行き交う生徒たちの視線を集めてしまった。
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