【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「少し、表情が豊かになったか?」
「……放してっ!」
彼の手を振り払って、私は逃げようと椅子から立ち上がる。がたんとけたたましい音が鳴って、椅子が倒れる。
「私に、触れないでください……!」
必死にそう訴えれば、ゲオルグさまは面白くなさそうにお顔を歪められた。
小さな舌打ちが、私の耳に届く。
「少しくらい相手をしてくれてもいいだろう? 婚約者だった者同士、仲よくしよう」
その理屈は、一体何処から出てくるのか。そもそも、私のことを捨てたのは彼のほうじゃないか。
「私は、仲良くしたくないです。……お話も、したくない」
ぎゅっと手のひらを握ってそう伝えれば、彼が一瞬だけ目を見開く。けれど、やれやれと言った風に肩をすくめられた。
「全く、わがままな女だな。お前のような女を相手してやるだけ、嬉しく思うんだな」
ゲオルグさまが、私の側にまた寄ってこられる。脚を引こうとして、引けない。身体が恐怖から硬直して、動いてくれない。
「なぁ、テレジア。……お前、王太子殿下のお気に入りなんだって?」
「……放してっ!」
彼の手を振り払って、私は逃げようと椅子から立ち上がる。がたんとけたたましい音が鳴って、椅子が倒れる。
「私に、触れないでください……!」
必死にそう訴えれば、ゲオルグさまは面白くなさそうにお顔を歪められた。
小さな舌打ちが、私の耳に届く。
「少しくらい相手をしてくれてもいいだろう? 婚約者だった者同士、仲よくしよう」
その理屈は、一体何処から出てくるのか。そもそも、私のことを捨てたのは彼のほうじゃないか。
「私は、仲良くしたくないです。……お話も、したくない」
ぎゅっと手のひらを握ってそう伝えれば、彼が一瞬だけ目を見開く。けれど、やれやれと言った風に肩をすくめられた。
「全く、わがままな女だな。お前のような女を相手してやるだけ、嬉しく思うんだな」
ゲオルグさまが、私の側にまた寄ってこられる。脚を引こうとして、引けない。身体が恐怖から硬直して、動いてくれない。
「なぁ、テレジア。……お前、王太子殿下のお気に入りなんだって?」