【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
 けど、続けられたお言葉に肩がぴくりと跳ねる。

 恐る恐るゲオルグさまを見つめれば、彼はにんまりと笑っている。

「全く、いい身分だよな。公爵令息である俺との婚約が解消されたら、すぐに王太子殿下に近づくなんて」
「……そ、れは」

 そもそも、婚約解消は一方的なものだった。

 私が責められる理由なんてないはずだ。

 それに、ラインヴァルトさまに私のほうから近づいたわけじゃない。

(そりゃあ、今はそれなりに近づきたいとは、思っているけれど……)

 当初は、そんな気持ちじゃなかった。

「それにしても、王太子殿下も物好きだな。こんな面白みのない女を、側に置いているなんて」

 ゲオルグさまのお言葉に、息が零れた。

 面白くない。真実だった。私は、面白くなくて、つまらない女だ。

(だけど、ラインヴァルトさまは私のことを好きって、おっしゃってくれる……)

 心臓が締め付けられるように痛むけれど、私はゲオルグさまと視線を合わせる。彼が余裕な笑みを浮かべているのが嫌で、キッと強く睨みつける。

「あなたさまには、関係ないです」

 そうだ。もう、私とゲオルグさまは関係ない。

 元婚約者だろうが、なんだろうが。切れた縁がもう一度繋がることはない。だって、このお人のほうから私を捨てたのだから。

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