【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
 それから、一体どれほどの時間が経っただろうか。

 私も、ラインヴァルトさまもなにも言葉を発しない空間。私はただじっと俯いている。ラインヴァルトさまが何処を見られているのかは、わからない。

 ただわかるのは。……この沈黙の空間が、案外悪くないということだけだろうか。

「……ラインヴァルトさま」

 でも、さすがにこのままでは時間の無駄だ。

 そう判断して、私はそっとラインヴァルトさまのお名前を口にする。彼が「うん?」と呟いて、私に視線を向けてくださった。

「いえ……なんでも、ありません」

 けど、言葉は続かなくて。ゆるゆると首を横に振る私を見て、ラインヴァルトさまは「そうか」と呟かれる。

「……でもな、テレジア」

 その後、彼が言葉を続けようとした。

 だから、私は彼のお顔を見る。真剣な面持ちをされた彼は、私の頬に指を押し当てた。

「言っておくけれど、俺はなにがあってもテレジアの味方だ」
「……あ、の」

 いきなりそんなことをおっしゃらなくても、私はそれをよく理解しているつもりだ。

 ラインヴァルトさまはいつだって私の味方で、私のことをとても大切にしてくださる。それくらい、理解している。

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