【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「彼の隣に堂々と並べるようになったら、私ね、気持ちを伝えるつもりなの」
ミーナに笑みを向けて、そう言う。彼女は一瞬だけきょとんとしたものの、すぐに手をパンっとたたいた。
「そうなのですね! きっと、いいえ、間違いなく殿下も喜ばれますわ!」
けど、そこまで手放しに言ってもらえるとむず痒い。
そんなことを思って、私は俯く。
(後の、問題は……)
そう思って、私はちょっとため息をついてしまった。
「テレジアさま?」
「いえ、なんでもないわ……」
ミーナが心配そうな表情を浮かべるので、私は笑みを向けてゆるゆると首を横に振った。
カップを口に運んで、飲む。温かくて、心が落ち着いた。
(あとは、ゲオルグさまのことを、どうするか……)
あの日、ゲオルグさまと再会してからというもの。どうしてか、彼は私にしつこく関わろうとしてくるのだ。
(さすがに迷惑なのだけれど……)
あるときは王城の庭園で。またあるときは、図書館で待ち伏せされる。一番ひどいときなんて、王城の廊下だ。
(彼の狙いは、一体なんなのかしら……?)
ただ私にちょっかいを出したいだけでは、ないと思う。
もしかして、なにかよからぬ企みがあるのでは……?
「いえ、考えすぎね」
でも、そう言って暗くなった気持ちを振り払った。
そして、紅茶の入ったカップをもう一度口に運んで、ミーナに笑みを向けた。
ミーナに笑みを向けて、そう言う。彼女は一瞬だけきょとんとしたものの、すぐに手をパンっとたたいた。
「そうなのですね! きっと、いいえ、間違いなく殿下も喜ばれますわ!」
けど、そこまで手放しに言ってもらえるとむず痒い。
そんなことを思って、私は俯く。
(後の、問題は……)
そう思って、私はちょっとため息をついてしまった。
「テレジアさま?」
「いえ、なんでもないわ……」
ミーナが心配そうな表情を浮かべるので、私は笑みを向けてゆるゆると首を横に振った。
カップを口に運んで、飲む。温かくて、心が落ち着いた。
(あとは、ゲオルグさまのことを、どうするか……)
あの日、ゲオルグさまと再会してからというもの。どうしてか、彼は私にしつこく関わろうとしてくるのだ。
(さすがに迷惑なのだけれど……)
あるときは王城の庭園で。またあるときは、図書館で待ち伏せされる。一番ひどいときなんて、王城の廊下だ。
(彼の狙いは、一体なんなのかしら……?)
ただ私にちょっかいを出したいだけでは、ないと思う。
もしかして、なにかよからぬ企みがあるのでは……?
「いえ、考えすぎね」
でも、そう言って暗くなった気持ちを振り払った。
そして、紅茶の入ったカップをもう一度口に運んで、ミーナに笑みを向けた。