【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「テレジア嬢を実家には帰さない」
「……そ、れは」
「荷物だったら、従者に取りに行かせる。あんたは、ここにいればいい」

 きっと、ラインヴァルト殿下は私のことを気遣ってそう言ってくださっている。

 ……でも、それに素直に甘えてもいいものか。

 悩む私に、ラインヴァルト殿下は「問題ない」と。

「俺がしたいからするだけだ。幸いにも、今の俺には公務がない。……しばらくは、ゆっくり休んでいいと言われている」
「……はい」
「だから、テレジア嬢と一緒にいることが出来る」

 ……ゆっくり休むのに、私がいては迷惑ではないのだろうか。

 頭の中でそう思うとほぼ同時に、応接間の扉がノックされた。驚いて目を瞬かせれば、ラインヴァルト殿下が眉を顰められた。

「……ったく、誰だ」

 彼が小さくそう呟かれて、扉に向かって返事をする。そうすれば、扉が開いて一人の従者が顔を見せた。

 深々と頭を下げた従者は、「殿下に、至急伝言が」という。

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