【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
 ドキドキと心臓が大きく音を鳴らしている。もしかしたら、側にいるラインヴァルト殿下にも聞こえているかも……と思って、自然と俯いてしまう。

「……そう、今後も、そう呼んで」

 そんな私の気持ちなど知りもしない彼は、私の髪の毛を優しく梳きながらそう囁いてくる。

 その声に、羞恥心が芽生える。なんだか、無性に恥ずかしい。熱くなった頬を隠すように両手を当てれば、彼が笑ったのがわかった。

「テレジアのそういうところ、本当に可愛い」
「……そ、んなの」

 どうしてこのお方は、私のことを手放しに「可愛い」なんておっしゃるのだろうか。

 少しの疑問を抱いて、問いかけようとする。でも、彼の美しすぎるお顔を見ていると言葉は出てこない。

 ……もうそろそろ、このお顔にも慣れないと。そう、思ってしまう。

「私、可愛くない……」

 小さくそう抗議をすれば、彼が真剣な面持ちになる。かと思えば、「可愛い」とはっきりとした言葉を口にされた。

「あんたは、可愛い。誰よりも、可愛い」

 まるで私に言い聞かせるかのようなお言葉に、胸がドキドキと高鳴る。

「け、けど……」

 なのに相変わらずネガティブ思考な私。そんな私に少し困ったように、ラインヴァルト殿下が肩をすくめられた。

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