【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
 それが無性に恥ずかしくて、私はまた俯く。彼はなにも言わずにその葉を指で弄んでいた。

「なぁ、テレジア」

 ふと、ラインヴァルトさまが私の名前を呼ぶ。静かに「はい」と返事をすれば、彼の指が私の髪の毛を梳いた。

 今度は、葉なんてついていないのだろう。そのまま私の髪の毛を弄ぶかのように、指を通していく。

「俺のこと、好きになってくれる?」

 ……けど、いきなりのお言葉に戸惑う。

 だって、そうじゃないか。いきなりそんなことを言われても……。

「……わからない、です」

 本当は「無理です」って言いたかった。

 好きになることが無理なんじゃない。このお人と添い遂げることが無理という意味だ。

「そっか」

 彼は私の言葉に文句を言うこともなく、黙った。かと思えば、私の髪の毛を一房手に取る。

 驚いてそちらに視線を向ければ、私の髪の毛に口づけるラインヴァルトさまが、見える。

(え……)

 目をぱちぱちと瞬かせる。

 私の髪の毛にそっと口づけたラインヴァルトさまは、いたずらっ子のような目で私を見つめてきた。

「可愛い」

 囁くような声で、そう告げられる。

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