【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
「どうなさったの? 体調が悪いのならば、休んだほうがいいわよ……?」

 心配そうな彼女の視線。誤魔化すように、私はゆるゆると首を横に振った。

「ここのところ、少し慌ただしかったので。きっと、疲れがたまっているのだと思います」

 嘘じゃない。実際、私はこの数日の慌ただしさに疲れてしまっている。身体はもちろん、心のほうが疲れている気もするけれど。

「そう。……じゃあ、しっかりと休むのがいいわ。ラインヴァルトにも、あんまり負担をかけないように言っておくわね」

 ……正直、それは有難迷惑だった。

 私の中で、ラインヴァルトさまとの時間はかけがえのないものになりつつあった。

 彼との時間を削られるくらいならば、私は疲れたままでもいいと思ってしまうくらい……。

「ありがとう、ございます」

 けど、自分の気持ちを口にする勇気はなくて。私は、曖昧に笑って王妃殿下のお言葉に礼を告げていた。
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