【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
そして、連れてこられたのは人気のない廊下の端。側にある階段が影になっているので、多分人はそう簡単には気が付かない場所。
「あ、あの……」
恐る恐る、彼女に声をかける。そうすれば、彼女は「知ってるかしら?」と言葉を発する。自身の唇に指を押し当てる仕草が、なんだかとても艶っぽくて似合っている。
「あなたみたいな女のことを、泥棒猫っていうらしいわよ」
けど、彼女の口から出たのは彼女には似つかないような言葉だった。
驚いて目を見開く。彼女は、くすくすと笑った。
「全く、ラインヴァルト殿下も変な女の手に落ちたのものね。無垢なふりをしているけれど、多分女狐だわ」
彼女の発する言葉の意味は、いまいちよくわからない。ただ唯一わかるのは。
――バカにされているということ。
合わせ、彼女の罵倒は私だけじゃなくて、ラインヴァルトさまにも及んでいるということ。
でも、抗議の言葉を口に出す勇気が出ない。そっと視線を下げていれば、彼女はまたくすくすと笑う。
「図星で言葉が出ないの?」
「そ、ういうわけでは……」
図星とか、図星じゃないとか。そういうわけじゃない。
ただ、勇気が出ないだけなのだ。
「あ、あの……」
恐る恐る、彼女に声をかける。そうすれば、彼女は「知ってるかしら?」と言葉を発する。自身の唇に指を押し当てる仕草が、なんだかとても艶っぽくて似合っている。
「あなたみたいな女のことを、泥棒猫っていうらしいわよ」
けど、彼女の口から出たのは彼女には似つかないような言葉だった。
驚いて目を見開く。彼女は、くすくすと笑った。
「全く、ラインヴァルト殿下も変な女の手に落ちたのものね。無垢なふりをしているけれど、多分女狐だわ」
彼女の発する言葉の意味は、いまいちよくわからない。ただ唯一わかるのは。
――バカにされているということ。
合わせ、彼女の罵倒は私だけじゃなくて、ラインヴァルトさまにも及んでいるということ。
でも、抗議の言葉を口に出す勇気が出ない。そっと視線を下げていれば、彼女はまたくすくすと笑う。
「図星で言葉が出ないの?」
「そ、ういうわけでは……」
図星とか、図星じゃないとか。そういうわけじゃない。
ただ、勇気が出ないだけなのだ。