【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
 コルネリアさまと対面してから、数日後。私は、王城の庭園で開かれている王妃殿下主催のお茶会に参加していた。

 本当のところ、参加なんてしたくなかった。だって、社交界で私は嗤われているだろうから。でも、勇気を振り絞った。理由なんて簡単。……このまま逃げ続けることは、ダメだと思ったから。

 あとは……まぁ、うん。ラインヴァルトさまに相応しくなりたい。その気持ちが、先行していた。

 けど、気持ちだけではやっていけない。だってお茶会の際中。私はずっと他所のご令嬢たちに陰口をたたかれていたから。

(……やっぱり、こうなるわよね)

 ティーカップを見下ろしつつ、私は耳に入ってくる罵りの言葉を受け流そうとする。

 全然うまくいっていないけれど。むしろ、心にグサグサと突き刺さっているけれど。

 無意味にティースプーンでカップの中身をかき回していると、ふと遠くからコルネリアさまがこちらに来るのが見えた。

 無意識のうちに、ティースプーンを持つ手に力が入る。

「あら、テレジアさんではありませんか」

 コルネリアさまが、軽く手を挙げつつ私にそう声をかけてくる。

 無視するのも感じが悪い。むしろ、角が立つ。その一心で、私は貼り付けたような笑みを浮かべて「コルネリアさま、ごきげんよう」と当たり障りのない挨拶をする。

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