捨てられ令嬢ですが、一途な隠れ美形の竜騎士さまに底なしの愛を注がれています。
「俺も、同じですから。……ずっと、ドラゴンに憧れていて。だから、竜騎士になったんです」
「まぁ……!」

 とはいっても、「だから」という理由なんかじゃなれないほど、竜騎士はすごい職業だ。

 彼の熱意は、それだけすごかったということなんだとも、思う。

「どうせですし、俺のパートナーと交流してみますか?」
「え……」
「とはいっても、明日になりますが……」

 少し申し訳なさそうな声だった。……ドラゴン、交流。頭の中の天秤がグラグラと揺れる。

 初対面の人についていくのが危ないっていうのは、子供でもわかる。しかし、彼は騎士だし。それに、ドラゴンと交流させてもらえるし……。

「……お願い、します」

 結局、私は折れた。決め手はやっぱりドラゴンだった。……この人が騎士っていうのも、もちろん関係してるんだけど。
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