イケメン御曹司は、親友の妹を溺愛して離さない


「……」


 お兄ちゃんが黙り込んでしまう。


 つい、お兄ちゃんに強く言ってしまった。


 お兄ちゃんのことだから、わたしを心配してあんなことを言ったのかもしれないけど。


 一堂くんのことになると、どうしても許せなかった。


「確かに、依茉の言うとおりだ。慧は、俺が頼んだことを引き受けてくれたってのに。依茉のことになるとすぐ余裕なくなってしまうの、俺の悪い癖だな。ごめん」


 お兄ちゃんが肩を落とす。


「あいつ、女にだらしないところはあるけど、根はいい奴だから。金持ちってことを鼻にかけたりもしないし。どんな奴とも分け隔てなく接する。そんな慧だから、依茉のことを任せたいと思ったんだ」


 お兄ちゃん……。


「あと1週間。依茉との仮の恋人関係が終わったら、慧にもまた改めてちゃんとお礼をしないとな」


 お兄ちゃんが、わたしの頭をポンポンと撫でてくる。


 そうか。あと1週間で、一堂くんとのこの関係も終わるのか。


 そう思うと、なんだか切ない気持ちになった。


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